そろそろ13歳になりたい

 昨日寝入りばなに、実家に帰ったら母が台所に立って料理を作りながら「今日泊まれる?」と聞いてくるから「いやこの家寝る場所ないでしょ」と返そうとする夢を見て、いやお母さんもういないじゃん!と急激に目が覚めて泣いてしまったのでびっくりした。

 母の夢は今までに何回も見たし、寝起きのあやふやな意識の中「あれ今お母さんて生きてるんだっけ?」と勘違いしたこともあったし、毎日母のことを考えない日はなかったんだけど、こんなに申し訳ない悲しい気持ちで涙が出てきたのは、もしかしたらはじめてだったかもしれない。ゆうて、母が亡くなって8年くらい経ってるねんぞ。情緒の追いつきがあまりにも遅くないか?今まで自分は気が短いしせっかちな性格だからと思っていたんだけど、最近はマイペース過ぎて人の目を気にしてせっかちぶらなければならない、みたいな感じでせっかちになっていたんじゃないかなとも思う。いや、怒りの沸点は低いので、それにしたって気が短いのは間違いではないんだけど…。

 

 母のことを思い出すのは基本的にニヒルな笑顔で、自分で気づかないほどマイペースなわたしのことをよく「あんたはお父さんそっくり…」と呆れたように言っていた。わたしの見た目は母にそっくりで、親戚に「(母の下の名前)ちゃん」と呼びかけられることがめちゃめちゃ多かったので、な~にを言ってるんだあんた似だよ、と思っていたんだけど、ここ最近になって自分が父と全く同じ間や会話運びで喋っているのに気がついて愕然としてしまった。確かにそっくりだわ。父もマイペースだし、夢中になるととことんそれに没頭していく質なので。

 思い出すっていっても、くだらないことばかりで。母が太ったのをちょっとバカにした時とか(お前それまじで自分に返ってきてるからな今)(太った)、祖父の葬式でくだらない会話をして笑った時とか、自分の部屋のドアを閉めないでちょっと開けとけって言われてなんでやねんってなったときのこととか(今なら家族が閉じこもっている寂しさみたいなのがちょっとはわかる)、車がなかったときに自転車でめちゃめちゃ遠い市民プールに連れて行かれたこととか。今思えば娘とめちゃめちゃコミュニケーションをとってくれていたんだなあとわかるのに、当時はまあ、そもそも内向的人間だっていうのもあるけど、あんまりね、ちゃんと受け止められなかったことも多々あった。ていうのを、申し訳なかったなあと思って泣いてしまったんだけどこれってお彼岸だからか?

 

 なんかたまに、実家から仏壇持ってこようかな、みたいな気持ちになることがあって。実家が汚いからっていうのもあるんだけど、頭の中でだけ思い出してると延々ループしててこの思考を外に出せないんじゃないか?みんなこういうときにお位牌に語りかけたりしているのでは?依代ってやっぱ大事だわ~、頭の中でただ考えてるより、物質として目の前にあるものに語りかけたほうがやっぱ理に適ってんだわきっと~。